写し出された横顔は
見られているが、こちらを見ない。
通り過ぎるその瞬間、目に焼き付けたのはそんなものだったろうか。
ここにある横顔はとても美しく、だけれど
こちらは見られていない。
見られることを受け入れているけれども、
それは見せているだけであって、それですべてでもない。
そして僕が見たかったものかどうかもよくわからない。
ただ、目があった瞬間から遅れて逸れて行った視線の行く先を知れなかった。
それがこちらにとどまっていれば。あるいは。
しかしそんなことはない。
そういうことの積み重ねで、横顔だけが増えていく。
フレームの向こう側にあるだろう視線の贈り先が少しでも
美しくあればいいのだけれど。
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